2009年6月29日(月)19:00〜 東京オペラシティコンサートホール
指揮:井上道義
演奏:アンサンブル金沢、東京楽所(雅楽/舞楽)、天台聲明音律研究会 (聲明)
■石井眞木:聲明交響U
■ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op.92
《アンコール》
■武満徹:「他人の顔」からワルツ
仕事の関係でまたまたアンサンブル金沢のチケットいただいちゃいました。今回の演奏会はなんとオーケストラと雅楽とのコラボ。なかなか聴くことの出来ない非常に貴重な演奏会ということで楽しみにして出かけてきました。
この演奏会は今年で25回目を数える<東京の夏>音楽祭のオープニングコンサートにあたり、今年のテーマでもある「日本の声・日本の音」というタイトルにふさわしい演奏会でした。
日本の伝統音楽の礎となった聲明、雅楽、舞楽が西洋から入ってきたオーケストラと融合し、独特の美の空間が井上道義氏の指揮で繰り広げられるなんとも言えない不思議な演奏会だったと思います。
ステージの中央には朱塗りの欄干で取り囲まれた舞台が作られ、左にオーケストラ、右に雅楽の楽器が置かれ、いつものクラシックコンサートとは全く考えられない舞台配置でした。
ステージにOEKのメンバーと雅楽部のメンバーそして井上氏が揃うと、会場は真っ暗になりました。そしてどこからともなく、鐘のかすかな響きが聴こえてきます。それが段々と大きくなり、会場に10人の僧侶が静々と進んできました。そして声明を唱えはじめました。一瞬、ここはお寺?と思えるほど荘厳な声明が会場一杯に広がりました。僧侶達はステージに上がり、引き続き声明を唱える。そしてOEKの演奏がその声明をさらに荘厳なものとする。ヴァイオリンやハープ、そして銅鑼の音と声明が相まって壮麗な異空間が作られました。
声明が終わると、雅楽の演奏が始まり、篳篥や鉦鼓といった楽器の音色が古の時代を彷彿とさせ、ステージ上では古代装束を纏った舞楽者の舞が演じられました。
以前から雅楽や舞楽に興味があったものの、なかなかそのような機会には恵まれませんでしたが、今回はひょんなことからそれを真近で体験でき非常に良い機会に恵まれたと思っています。
今回演奏された、石井眞木氏の「聲明交響U」はもともと善光寺に奉納された音楽だったそうです。秋も更けた霜月の夜にグレゴリオ聖歌と声明が交錯する摩訶不思議な音楽が響き渡ったと、当時は評されたそうです。そして井上道義氏がアンサンブル金沢の音楽監督就任記念としてもこの曲が演奏されたそうです。その摩訶不思議な幻想的な音楽を井上氏はさらりと指揮しているところは驚愕しました。
第一部は日本と西洋の融合でしたが、第二部はクラシックの王道、ベートーヴェンの交響曲7番が演奏されました。なんと今年になってからOEKベト7を聴くのは3度目になります。それも先々週に金聖響氏の指揮で聴いたばかり。井上氏のベト7は聖響氏と異なり、やや荒削りの部分はありますが、40人のオケを何倍にも大きく見せる演奏が特に光りました。大振りな指揮でオケのメンバー達も自分もいつの間にか体を右に左にと動かしてしまう、躍動感の演奏、とても良かったです。
アンコールには「東京の夏」の創設に携わり、今回の会場がタケミツメモリアルと名づけられていることにちなんで、武満徹のワルツで締めくくられました。
今回の演奏会は普段ではめったに聴くことの出来ない声明や雅楽、そしてオケとのコラボレーションが体験出来、しばし幻想的な空間を味わうことが出来たこととても良かったと思いました。
《markun評価 ★★★★☆》
【◇クラシック コンサート リポートの最新記事】


